第10回全国社会科教育学会・韓国社会教科教育学会研究交流を開催しました

2022年8月27日(土)に、第10回全国社会科教育学会・韓国社会教科教育学会研究交流を、昨年に続いてオンラインで開催しました。今回も、70名を超える会員が参加し、日本と韓国の社会科教育が直面している課題について議論しました。

午後1時から始まった会は、議論が白熱し午後5時近くまで続きました。第10回研究交流のテーマは「日韓関係の現状と社会科教育の役割(2)―日本と韓国はお互いをどのように教えているか―」でした。発表者と発表タイトルは、下記の通りです。

(日本側発表)

星瑞希(北海道教育大学札幌校)、小野創太(広島大学大学院)

「日本の朝鮮に対する植民地支配に関する言説を生徒が再構築する歴史授業」

(韓国側発表)

ムン・ヒョンジン(ウルサンシンボク小学校)、イ・ソヨン(ソウル大学師範大学附属小学校)
「韓国の小学校社会科では日本をどのように教えるか:韓国初等社会科教育課程および教科書に示された日本に関する内容分析」                                              

 日本側の発表は、生徒自身の歴史言説を構築することを目指した授業を、韓国併合を取り上げて開発・実践したものでした。韓国側の発表は、韓国の教科書に描かれている日本の記述の分析と、教員志望の学生が構成した授業の中で日本がどのように描かれているかを解明したものでした。

両国の発表後、二人の指定討論者から発表に対する意見・質問が提示されました。指定討論者は下記のお二人です。國分麻里(筑波大学)、イ・へヨン(公州教育大学)

指定討論の先生方からは、両国の教師・研究者が教えにくいテーマに果敢に挑戦したことを評価する一方で、授業の枠組み・具体的な内容についての意見や、史資料の偏りに関する指摘、先行研究との違いに対する疑問などが提示されました。今回、交流事業に先立ち両学会の会長・副会長による懇談会が行われ、次年度以降も本事業を継続することと、次年度は日本を会場に対面で行うことが約束されました。

【計画・運営】

・企画:韓国社会教科教育学会 国際交流学術局(局長):金鍾成(広島大学)

全国社会科教育学会 日韓交流専門委員会(委員会長):桑原敏典(岡山大学)

・司会:金鍾成(広島大学)、福田喜彦(兵庫教育大学)

・翻訳・通訳協力:チャ・ボウン(延世大学教育研究所)、キム・ドヨン(広島大学大学院)、ヒョン・ゼギュン(筑波大学大学院)

(2023年5月12日追記)